電車通勤が増えて色々と本を読み始めています。
まず、「ビブリア古書堂の事件手帖」
これは話題の本として度々挙がるしどこの書店でも特集しているレベルなので
今更紹介するのも遅きに失した感じがありますけど。
本の事になると眼が輝くヒロイン栞子さんは
安楽椅子探偵的なポジションで、
奇妙なお客さんの行動を聞くだけで
その人の人となり、心理などを読み取ってしまいます。
体力あふれる主人公が行動派としてそれを支える役回りです。
導入部で何故主人公が栞子さんにお世話になることになったのか描かれるのですが、
実にビターで、切ない、始まりとして相応しい質の高いエピソードになってます。
「相棒」の例を持ち出すまでもなく、頭脳派と肉体派の名コンビで事件解決、
というのは古今東西のミステリーでは王道と言える感じですよね。
夏の鎌倉という本にまつわる事件の舞台としてはうってつけな場所で繰り広げられる、
人と本にまつわる素敵なエピソードたち。読んで損はないと思います。
「金魚屋古書店」シリーズを知っている人なら同じ老舗古書店が舞台だけあって
雰囲気はかなり通じるところがありますね。金魚屋の方は漫画がメインですけどね。
そして「傍聞き」。
長岡 弘樹という短編ミステリーには絶対のクオリティを誇る作家の
現時点での代表作ですね。前も書きましたが、
読者に必要な情報をすべて提示して進めるので、
非常にフェアな知恵比べみたいな感覚があります。
大体謎が5つあれば俺は3つまでが限界ですね。
最後に「あー、やられた」みたいになります。
そして「不思議系上司の攻略法」
このタイトル+主人公は年下かつ親会社から
出向の上司かつ日曜日はメイドカフェのメイドさん、と
頭の痛くなるラノベ(そういうのを否定しているのではなく)
ぽい感じではあるのですが、その実、仕事の辛さ、
楽しさ、厳しさ、悲しさ、そういうものを綺麗に内包しています。
僕も10年ぐらい利用させてもらってるはてなダイアリーやはてなブックマークで
お馴染みの「はてな」が上場準備を始めたようですが、
この本の三巻がまさにベンチャーの上場を取り巻くあれやこれやなので
非常にタイムリーな感覚がありましたね。
主人公がSEなのでシス坦の俺としても
時折胃がキリキリしつつ、
同時に眩しくも見えたりしてね。
身の上話 / 佐藤正午
これはアジカン大阪ライブの行き帰りで読んだ本。
平凡なOLが浮気、逃避行など、
ちょっとした日常からの逸脱に端を発する怪事件。
先の読めない展開、誰も彼も怪しく見えてくる中盤からの流れなど、
ミステリとしてもかなり良質ですが、並行して現実からの逃避が
気持ちよく描かれています。俺も日本中死んだ目でブラブラしたい!
ボーナス・トラック: 越谷 オサム
死んで幽霊になった人間とコンビを組む、
ってそこまで斬新な設定ではないと思うんだけど、
これがまた怠惰な大学生と忙殺される外食サラリーマンという
組み合わせがどちらにも感情移入させてくれて・・・。
まだ実はラストまで読んでいないのですが、
これもグイグイと読ませてくれますね。
気になるレベルの作品はたくさんありますが、
映画化されているとどうしても先に映像で観たかったり、
(京アニがアニメ化する氷菓、とか探偵はBARにいるとか)
アマゾンで評価が低いと敬遠してしまったりとか。
最近は考えます。死ぬまでにどれだけの
本を読み、映画を観て、音楽が聴けるのか。
どれだけの場所で、どれだけの景色と風を感じられるのか。
決してその数を人と競いたい訳じゃないけれど、
僕にとってのリア充ってそういうことで。
今でも僕は「人生の達人」になりたいのです。
(意味のわからない方は今度続きが描かれるらしい
僕のバイブル、「MASTERキートン」をお読みください
損はしないと思うから。)
再来週には京都 東山花灯路からの地ビール祭りが控えていますが、
なんとこのタイミングで京都駅にドラ様が!!
どうも、出迎えありがとうマイフレンド!
http://mantan-web.jp/2012/03/04/20120304dog00m200022000c.html