閃光のナイトレイド観た

昭和を舞台にするっていうと大体戦後が多い気がするので、
戦前のあの時代というのはちょっと斬新だったかなとー。


特別編をDVD用に作ったのはまあ正解だったと思います、
一応ばらまいた伏線は全て回収されたと思うし。


史観の描き方もまあ絶妙だったんじゃないですかね。
一貫して欧米列強だけは悪だったけれどもその辺はまあ、当時ですから。


脱亜入欧から始まった日本の富国強兵を初めとする動きは
やがて大東亜共栄圏、八紘一宇へと変貌していくわけで、
割と僕と同世代以上の人は暗黒帝国大日本が建前を掲げて
アジアを虐げて虐げて・・・という風に学校で習ったと思います。


僕は当時読んだ本に被れてちょっと疑問符投げたら卒業記念にとても
素敵な某慰安婦本を社会科の教師に渡されてしまいました。


化外の地だった満州が栄えることは良いこと」と「そんなのは建前であってソ連に対する牽制と権益目当てだろ」な
二人の主人公の思想を対立させることで異なる価値観を上手く描いているのかなと。


ただ、言いたいのは理想だけ、実利だけってのはどちらも極論だよね。


下心があっても、それで結果として人が幸せになるなら遠慮すべきでないと思うし、
完全なる善意でなければ認めない、なんて価値観では世界は動かないと思うので。


日本人が忘れてはいけないのは、日本の歴史は先人たちがそれぞれの立場で熟慮して、
庶民がそれに逆らい、時に支持して築かれたものだということ。


それを後者が眺めて指さして笑ったり嘆いたりすることにどれほどの意味があるのか。
肝心なことは結局明日からどうするか、程度のもんだよねえ。


音楽的にも世界観的にもシャレオツな素敵アニメだったと思いますよー。
時々物語に縛られて主人公達の特殊能力あんまり・・・な場面もご愛嬌。


東のエデンと並ぶ・・・とまでは言わないが、日本人のためのアニメだったと思います。