鬼滅の刃を読破した(ネタバレする)

今の時代、SNSが面白い作品のアンテナとして有益であることは否定しようもない。

 

けど、その分ネタバレをバカみたいに喰らいやすくもなった、特に人気コンテンツは。

いや、SNSつーか、Twitterですね。

 

直接ネタバレするような人をフォローしていなくても、

リツイートだったり、複数の作品の共通点としてついでみたいに鬼滅の刃のネタバレ出てきたり、

人気作品ってこうだよなあと思いつつ。

 

今回も完結に際して名シーンはこれだったとか思いっきりやってくれるんですよね。

 

なので朝からそういうのを見た私はさっさとTwitterのショートカットをスマホから消して、

電子書籍で全巻バシッと買って読みました。

 

さらっとまとめるなら、

皆が長い時間と世代と命を懸けて受け継いできた想いが一つの渦になって紡がれる、

そういうスケールの大きな傑作でしたね。

 

なんか、『人気があるからとダラダラ引き伸ばさない』ことを評価する声をヤフコメなどで良く見ましたが、

むしろお館様が襲撃されてから性急にドタバタと終わった感のが強い。

 

いや、ある意味一進一退で『ダラダラ』戦いが続いていた経緯があり、

そこに炭治郎と禰豆子がパワーバランスを壊したから

時計の針が一気に進んだ、そういうこと、と言われたら納得できなくもないんだけど。

 

ただ、もう少し各キャラの関係性とか丁寧に描く余地はあったのかな、と。

 

善逸と禰豆子とか、カナヲの心の変化とか。

 

アニメはその辺を補完しながら上手く完結まで描いてほしいですね。

 

あと、柱たちもお館様も何か企んでるやつが多いんだろうなと勘ぐってたのは申し訳ない。

一人ぐらい鬼に寝返るとかスパイがいるんだろうな、とか(笑)

 

この辺からなんかふつふつと溜まってた気持ちです

 

そろそろ芸能人が鬼滅の刃のコスプレした、

芸能人が鬼滅の刃を観てない話をした、

変な文化人がが鬼滅の刃批判した、みたいなニュース要らないですけどね。

 

山田道子が『説教臭い』と槍玉に挙げた『心を燃やせ』、本編では随所に思い起こされる言葉なんですね。

自分に対する奮起を促す言葉であり、煉獄杏寿郎の遺した言葉でもある。

『男もしんどくない?』なんて旧来の男らしさ女らしさをなくしたい向きにはウケないのはしかたない。

 

つーか、『鬼滅の刃が流行っているのは世の中が困窮したからだ』みたいなバカみたいな論評だけ世に出てきて、

鬼滅の刃が流行るということはまだ男の子の矜持というものが失われてないからだ』というのは表に出ないんだから偏ってるよな。

 

もっとも、そんな『男最高!マッチョイズムバンザイ!』みたい論評が世に出たところで、

禰豆子やしのぶ、くノ一達の活躍がある様に、

体格的なハンデや性別なんて関係ない、あるいはそれを長所に変えた強さをしっかりと描いているわけで、

そこを見落とした浅はかな語りになっちゃうんですけどね。

 

同じぐらい『今の世の中が行き詰まっているからこういう作品がウケる』が浅はかだとも思いますが。

 

『男の意地』みたいなものが前に出るフィクションにはあっても良いと思う。流行っても良いと思う。面白ければ。

 

ジェンダーレスな作品が流行っても良いと思う。面白ければ。

ターミーネーターニューフェイトは不自然に女性を前に出して『面白くなくなった』から好きじゃない。

https://front-row.jp/_ct/17413956

エンターテイメントは何とか論的な正しさで判断するものではないと思っているので。

 

シンプルに面白かった作品をシンプルに捉えないことに対してダラダラ書いてたら全然シンプルでない文章が出来てしまった。

 

来週からも心を燃やして生きていきます。

 

あ、サイバーコネクトツーのゲームも楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

この情報氾濫時代でもサプライズはある

屍人荘の殺人を観た。


完全に予告編詐欺だった。

こう、的はずれな推理合戦が繰り広げられる
ゆるふわミステリーだと思ってた。
ポスター見てもポップなPerfume
の主題歌聴いてもそう思ってた。


そしたら醍醐味を削るので詳しくは書けないし
別にネタバレしてまで深いことを書く理由もないが全然違った。



いや、本当に難しい。

時間の無駄と言ってしまうとそれも違うんだ。

やたら劇中歌が豪華(原作を改変してまで使う情熱)だったり、
ミステリー部分もないわけじゃないが犯人当ては優しかったり、
最初に期待してたコメディ要素もあるんだ。
更にいうとミステリーに対するメタ要素もある。

そして、随所に『浜辺美波がカワイイ』ことによるブーストがかかってしまっている。

気づくと浜辺美波が可愛いのでなんか面白い映画を観てる気になる。

そして驚愕のラストシーン。

暇な時に是非観て、それぞれの感想を抱いてほしい。
でも『浜辺美波カワイイ』だけは共有出来ることと思う。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

一つ前のエントリでNetflixに入ったと書いたと思うんですけど、

Netflixにはヴァイオレット・エヴァーガーデンも配信されているわけで。

 

けいおん厨だったものの、境界の彼方は肌に合わず、

氷菓は楽しんだものの聲の形は原作を知っているだけに

心が衝撃を受けることを恐れて避けて。

 

というわけで久々の京アニ作品だった。

去年の事件の後、お別れの場まで行ったせいで

むしろ最新作から距離を置いていたのかもしれない。

 

火曜水曜で本編を観て、木曜にエクストラと外伝を観て、

金曜夜に劇場版を観て、濃密なヴァイオレット・エヴァーガーデン

過ごした一週間ってな感じだったけれども。

 

本編がヴァイオレット・エヴァーガーデンの再生を描く物語だとすれば、

劇場版はヴァイオレットが心の底に常に大切にしていた気持ちを解き放つ物語・・・

という風に思える。ただ、違うテーマとして強く感じたのは、

劇場版は本編や外伝以上に「伝える物語」だったということ。

 

自動手記人形の話なんだからそりゃそうだろ、と言われるとその通りなんだけど、

今までの手紙というコミュニケーションだけじゃなく、

壁越しの会話、物言いから来るすれ違い、電話、電信・・・

そういう、ありとあらゆる伝達の難しさ、素晴らしさをたくさん見せられたなと。

 

ちなみに本編ではアンちゃんの50年届く手紙はもちろん、

アルベルタの深い愛に涙しました。

 

特に電話を単なる世代交代を告げる象徴ではなく、

電話には電話の良さがあるってしっかり描いたのは良くやったなと。

手紙や自動手記人形の素晴らしさより大枠の、伝える素晴らしさ、尊さという

ステージまで行ってるんだなと思った。

 

そして最後のサムズアップはもう・・・そんな形で彼の欠片が

残り続けているなんてさあ、ジーンと来るしかないよね。

 

しかし・・・自分の年齢のせいか、そういう描き方なのか、

完全に目線がヴァイオレットちゃん可愛い!というより

うちのヴァイオレット、立派になったなあ・・・

おめえうちのヴァイオレットちゃんになんて酷いことしやがる!

(社長の大馬鹿野ぉぉぉ郎、最高だった。子安武人バンザイ)

 

という目線に終始なりますよね。

 

 

微妙にサブキャラたちのその後みたいなのも気にはなるんだけど。

スピンオフや番外編はいつでも歓迎しつつ、良い伝記を読み終えました。

教科書に載せていい偉人、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。

そして京都アニメーションの魂、見せてもらった。

 

 

あれから一年少々、出てきたものが「あいしてる」とは恐れ入ったよ、本当に。

俺も愛してる。

GREAT PRETENDER

GREAT PRETENDER、ネタバレ有りで書きます

 

コンフィデンスマンJPは特に理由はないけれど未見です。

ただ、リーガルハイや探偵はBARにいるシリーズが好きなので

古沢良太の名前自体は知っていました。

 

そんな古沢良太がキャラデザ貞本義行でアニメ脚本に挑戦って言われたら

すぐ飛びつきますよね。奇しくもNetflix入会直後だったので、余計に。

 

CASE3まで一気観して、世界を縦横無尽に舞台にするスケールも、

いろいろな価値観が垂れ流されるカオスも、最高にしびれました。

押し付けがましくない「多様性」という感じです。

 

そんなわけでCASE4を心待ちにしていたわけですけれども。

 

「これぞファンが期待した集大成」っていう期待を裏切らない傑作だったな。

詐欺師の物語なので常に疑いながら観ているわけですけど、

なんだろう、派手な伏線回収や大どんでん返しと言うより、

今まで観てきた人たちが見るべき、いろいろに

伸びた線の先が綺麗に集約して終わったという感じ。

 

今までのいわゆる敵役たちもノーサイドとばかりに結集、

嘘と嘘の間でエダマメの本音が吐露されたり、アヴィがツンデレって

レベルじゃないぐらいの回りくどい気遣いを見せていたり。

 

いいもん観れたなーと思いました、ありがとう。

誰が誰でもおんなじザンス

動画見放題サービスが当たり前になってから特に顕著だが、

この世にはコンテンツが溢れすぎている。

 

玉石混交とは言っても、多分名作、面白い作品だけ的確に楽しんでも

人生が足りないぐらいではないだろうか。

 

だから、例えば「好きな作品と原作者が同じ」「好きな声優で固められている」

みたいなポピュラーな理由以外にも「岐阜が舞台と聞いた」とか

「作品のメイン舞台に旅行したことある」とか、そういうロケーション起因や

スパロボに出てた、みたいな他のコンテンツからの芋づる式の出会いなど、

縁を手繰り寄せる必要があると思っている。

 

今回は、ボードゲームという新しい趣味から始まった放課後さいころ倶楽部・・・

の話ではなく*1、「五等分の花嫁」です。

 

 

ええと、「シンデレラが多すぎる」という評価の良いカードゲームがあり、

それのパロディ的な側面を持たせた改変版として「花嫁が多すぎる」という

ゲームが出ることになったんですよ。発売日は今日から一週間後。

 

 

これはもうそういう奇縁かなと。で、観てみたらなんと

私が10才児の頃過ごした太田川が舞台ということで。

あれま愛知県出身の作家さん、ってな話で。

(幾花にいろ先生の諸作品とか八十亀ちゃんかんさつにっきとか安城さんとか、

 やはり地元が舞台だと嬉しくなるよ)

 

久しぶりによい作品だったので

一日でアニメ全部見て漫画コンプリートしました~。

 

何しろシスター・プリンセスリアルタイム世代(ただしちゃんと観てない)

なので、ラブひな直撃世代なので、ハーレムものなんてのは手垢にまみれたものと

認識しているわけですよ。ただ、大抵はメインヒロインがいて、

サブヒロインが乱入してきたりして場を乱すけど最後はメインヒロインと大団円。

 

 

それが定番なわけですよね(ただし例外は時としてある。ギリギリでそっち?みたいな。ただ、それはそれでメインヒロインを丁寧に描いてきた過程からすると物足りなくもある)

 

ギャルゲー、エロゲーというものはそこが「自分の選択次第で誰でも幸せに出来る」のが

良いところだった(過去形とするのは単に自分が現役プレイヤーとは呼べないから)

わけですが。

 

 

マブラヴ(通常版) - PS3

マブラヴ(通常版) - PS3

  • 発売日: 2012/10/25
  • メディア: Video Game
 

 

 

下級生

下級生

  • 発売日: 1997/04/25
  • メディア: Video Game
 

 

なので、まず終わらせる方法として考えつくのが以下の手法。

 

1.一巻の表紙になってるやつとなんだかんだくっつく

2.曖昧で終わらせる。彼らの楽しい日々は続くって。夢オチとか。

3.何しろ5つ子なので、最後まで誰と結ばれたかわからなくする。

4.誰とも結ばれない。

5.最終巻は結末を5つ用意する。(ブトゥームはやった)

 

本作が上記のどれかを選んだのか、あるいはそれ以外なのか、

そんなことを書くのは無粋に他ならないのでやめときます。

 

ただ全体として、ラブコメとして主人公に感情移入して

ヒロインたちにキュンとする楽しみ方と、

おそ松くん・おそ松さんのように5つ子ちゃんたちとして愛でる、

どっちも堪能できる欲張りな作品だったなあと満足度が高いです。

 

おそ松さんのEDテーマで「史上初の六つ子対六つ子の合コンに漕ぎ着けたぞ!」

ってセリフがありますけどいい線行ってたよね。

 

最後に好きなヒロイン順番に語って終わります

 

・一花

 

 アニメだとCV花澤香菜の破壊力もあるけれど一番好きかな。

 裸で寝てる天然エロスと、しっかりしていると見せかけてだらしないところへの

 シンパシーと。姉御気質のようでいてしっかり「女」って感じのところと。

 

・二乃

 

 アニメで「ニノ!」って呼ばれてると違う方を思い出す次女。

 中盤の見どころは「キンタローの誤解を解かずに最後まで行くかどうか」ですかね。

 

 ホントに強いハートと気配りがいいですよね。

・三玖

 

 アニメではメインヒロインだったと言って過言ではないと思います。

 もうちょっと戦国武将好き設定は活かせたんちゃうかなとは思うんだけど、

 (三成のエピソードも微妙に違う話もあるから少し気になる)

 タイツ脱ぐのがね・・・もうねえ・・なんかもうねえ・・・

 あと常にしているヘッドフォンでどういう音楽聴いていたのか、

 単に外界と途絶させたいためのアイテムだったのか。

 

 「分身の術は俺のいちばん苦手な忍術だったんだ」って感じ。

 

 二番目に好き。

 

四葉

 

 特にアニメだと数字的にも十四松感あるパワーバカだった気がする。

 「みつどもえ」の次女っぽいと言うか。

 四葉は眼力が凄くいいですよね。この子は段階を踏んで絆を深めるプロセスが

 他のキャラより薄かった気がしますけど、

 その分、メンバーの和を保つため奔走してた感じがある。

 

・五月

 

 さつきでもメイでもなくイツキです。

 アニメだと登場シーンこそメインヒロイン!

 という感じで、主人公との喧々諤々を経て・・・という王道を

 歩いていたような気がしますけど途中のエピソードのパンチが弱くもなり。

 でも、5つ子と家族という別テーマを四葉と一緒にしっかり牽引してたかな。

 あと、真面目だけど勉強はできないって

 ちょっとリアリティありますよね、中高生は特に。

 

---

 

「主人公はクズだけど何故かモテる」作品は嫌いですが、

「クズが成長していく過程でモテていく」の好きです。

ラブひなも序盤いい加減にしろよと思っていたのが後半ね・・・

SAOのキリトくんみたいに最初っからイケメン過ぎるのもまたアリ。

アクセルワールドのお前はだめだ。

 

では、余韻はカードゲームが手に入ってからまた浸ります。

 

 

*1:あれはあれで好き。ミキちゃんが好き。

ハイスコアガール

連れに勧められてハイスコアガールを観た。

 

世代的に主人公たちの方が自分より少し上だし、

僕はアーケードよりコンシューマに比重はあったのだけど、

それでもヴァンパイアはそれなりにやってたし、

ゲームが発展していく様を見ていた自負はあるので。

 

あの50円とか10円で出来るゲーセンの嬉しさ、

ゲーセン以外におもちゃ屋とかゲームショップに筐体が置いてあって穴場だったり、

スーパー(愛知県ならもちろんユニー)の屋上の時間が止まったゲームコーナー、

北海道の修学旅行中にゲームコーナーで脱衣麻…それこそ俺も修学旅行には携帯ゲーム機じゃなくてPS2持ってったしね。

 

プレステ全盛期だからこそ『お前ん家サターンあるのかよ!』とか。

格ゲーの『絶対技の名前言ってないように聞こえる』問題とか。

ウルヴァリンバーサーカーバレッジって

『レタレバラァイ』にしか聞こえなかったもん。

 

ただ、懐ゲーネタだけの漫画では全然なかったのは嬉しい誤算。

日高小春の健気さ、好きな人の趣味を知ろうという姿勢は

自分の人生を振り返ってリンクする部分があった。

 

出てくるキャラも良いやつばかりだし、ゲームが人の人生を変えて、明るく照らすなんて素敵じゃないか。

 

スピンオフの単行本楽しみにしてます。