月曜ミステリー劇場は侮れない

http://www.tbs.co.jp/bansen/moon/
父の来た道。
阿部寛が主演で、大物政治家の運転手・戸田慎一郎を演じていたのだが、
これがまた傑作だったんだよ!
ちなみにネタバレありだけど、映画じゃあるまいし
再放送を皆様が観られる可能性がどれほどか・・・
ネタバレ嫌なら良い感想を書いていらっしゃる方がいるので
そっちで終わってくださいwwwwww
http://d.hatena.ne.jp/terayuki/20051128#p2







まず、戸田君の父親はもともとその大物政治家と
癒着し持ちつ持たれつの関係だったんだが、
哀れ政治家に切り捨てられ罪を全部着る羽目に。
なのに父親は恨むことなく刑に服し、
戸田本人も当時警視庁にいたのに居心地が悪くなり退職。


そこを政治家に拾われるわけですよ。
で、政治家の第一秘書の服部さんや母親からも
父親の復讐を考えてるのか」
「ただ成り行きでこうしているだけだ」ってな
やり取りが繰り広げられて、ここで
何故か秘書の服部さんがその政治家の好きな曲ってことで
唐突に後部座席で歌う津軽海峡冬景色。
なんじゃこのシュールな状態wwww
と思っていたのだが、これにも意味があるんだよ。


さて、そんな折に殺人事件で二人の身元不明の焼死体が見つかる。
この二人が曲者で、大物政治家とそのライバル政治家の双方と関係があり、
公安はどちらかの差し金で殺されたのではないか?
と疑い捜査をしていく。


さらに、殺された二人のうちの男(やはり贈収賄に一枚かんでた気がする)に
大物政治家から渡ったはずの大金入りゴルフバッグが消える。
運転手戸田はゴルフバッグの消息調査を命じられる。
そこでライバル政治家に接近し、
間違いなくゴルフバッグはそこにあると確信する。


だが、そこでライバル政治家の秘書から
ライバルを失脚させるための「被害者の女との密約MD」を
受け取る。これは後にゴルフバッグ+自分の雇い主の失脚材料と交換になるが。


そしてこの話でもう一つ超重要なのが、
戸田の彼女の存在なんだな。*1
飲み屋を一人で経営してるんだけど、
超アンニュイで、世間で何をしているかも興味ない。
壊れたテレビも直さない。
何度かベッドシーン(いわば夜チュンというか)になるんだが、
ここで戸田が汗拭いたりしてるわけよ。
なんかこう、そういう描写がイチイチ和むんだよね。


で、電気屋から中古テレビをもらった時に
電気屋から「あんたの彼氏テレビに良く出るね」ってことで
VTRを渡されて、初めて戸田が政治家の運転手だと知るんだよね。
余計な詮索はしないのに互いに完全に結びついてるってとこがまた
ガツーンと来るんですよ。

「知ってたらもっと気を使ったのに」
「余計な迷惑はかけたくなかった」


「布団しいてくれ」
「何も食べないの?」
「(乳を指差して)これ食べるから」

これはちょっとどうかと思ったがwwwwwwwww




しかも密約テープ中国語なんだが、それを
翻訳してくれたりと微妙に役にも立ってる(笑)


でまあ、父親の敵である政治家の失脚材料を手に入れた戸田は
とりあえず政治家(この時点でもう体が限界に来ていて、亡くなる寸前)に
勝利宣言みたいなのをするのね。
「ワシはよくよく飼い犬に手をかまれるらしい」
「私は貴方の飼い犬ではありません。 父も。」


しかし、色々な思惑が絡み合い
(下記の服部さんの件も含む)
結局戸田の結論は復讐とかじゃなくて、
電話ボックスの中で「この女以上のものがあるかと思った」
結局そこに帰結するのか!
まあ、女の方も
「わたしは浮き草みたいに生きていたいの。
たまにここ(戸田の胸の中)に流れ着く」とか
言っちゃってるんですけど!
この、大人のLOVE LOVE SHOWに弱いのですよ。


で、結局政治家は他界するのね。
その間際に秘書の服部さんを呼ぶ。
何故か?それは服部さんが政治家の隠し子であり、
もっとも寵愛していたことがわかるのです。





津軽海峡冬景色は親子の思い出の景色だったんですよ!!

そして、ゴルフバッグは今頃返ってくるが、
服部さんは政治家の本妻なんぞには渡したくない。
そして、戸田の父へ渡して欲しいと申し出に来る。
受け取った戸田はその通りにし、
全て終わった、と女の元へ帰り、
「なあ、畑を田舎で耕さないか」と持ちかける(笑)
「店をたたむの、嫌か?」
「こんな店いつでもたたむよ」と告げてから
また電話ボックスまでわざわざ雨の中走って行き、抱き合う・・・


原作は地を這う虫というらしいです。
今日はがんばりました。

*1:ビジュアルこんな感じ