足りねぇ足りねぇ、気が足りねぇ

今日は歴史の講義の最終だった。やっぱあの教授とは日本に対する見方に完全に相違があるわ。
まず、「いいことか悪いことかはさておき」と前置いているものの、日本が世界へ進出しかかっていた安土桃山に対して、
江戸時代をネガティブに捉えているフシがある。
いわく「鎖国で閉鎖的になり、男尊女卑が大きくなり、身分制度が確立した」・・・云々。
しかし、江戸時代といえば一部にしか継承されてきていない伝統芸能のみならず、
町民の生み出した文化が次々に花開いた時代。
とても「閉鎖的、かつ身分に縛られた人々」が生み出せるとは思えないほど生き生きとした文化が今に残っている。

というか、日本の進出を「海外へ侵略していってコテンパンにされた」などと説明する人間が
鎖国政策に対してネガティブな感情を抱くのはどうかと。
(安土桃山時代の東南アジアにおける日本人街は武力を用いてないからイイってさ・・・)

以前にもちょっと書いたが、アメリカの歴史や国民性に対しては
ネガティブな面も抑えつつ、評価すべきところは大いに評価していた教授だが。
明治以後の日本に対する評価なんてもう・・・
やれ「江戸時代の変な身分制度だけは残した、いわば江戸時代のカスを引き継いでいる」だの
「急いで西欧文化を取り入れたが、西欧の民主主義を取り入れていないから西欧になりきれない」とまぁ・・・

日本の海外からの技術の取り入れというのは、飛鳥時代の遣隋使当たりが有名だと思うが、
そのときも日本は海外のものをそのまま取り入れるような愚を犯さなかった。
食べるものも取り入れた食料品の中から米を選択し、
仏教に関しても独自の概念を編み出し、朱子学についても根幹は受け継いだものの
極端な絶対服従制度には至らなかった。

明治維新脱亜入欧においても然りではないかと思う。
日本人の国民性に、西欧の民主主義は馴染まないと思ったからこそ
(江戸時代の町民は「革命」を起こしたくなるほど虐げられていなかった=市民革命の不在等の理由だろうか)
あえて技術面だけを取り入れた。その結果「天皇制なんておかしなものができた」とかなんとか教授は言っていたが、
それ以外にもたらしたものは「職人の魂+西欧の高い科学技術」
言うまでもなく誉れ高き零式艦上戦闘機などに見られる高い技術。
アメリカの本土攻撃まで上りつづけていた好景気。


何も戦前の日本は光に満ちていた、なんて言うつもりはない。
だが、あまりにも一面的に黒一色で塗りつぶすほどひどい時代、ひどい制度だったのだろうか?

アメリカとの衝突は過ぎた野心を持った日本への懲罰だったのか?
そんなはずがない。つうか、よくそれで今のイラクに対するアメリカのやり口を非難できる。

アメリカは太平洋戦争開戦前にも今にも、「目撃者の前で先に手を出させる」方式で
建前の正義を勝ち取り、振りかざしつづけていると思う。
(それも含めてアメリカはやはりでかい国だとも思っているが)


話が段々収束できなくなったが、一つだけ。
俺が生きてきた場所もこれから生きるべき場所も
日本以外にあり得ない。
だから、もっと日本を知りたいと思う。