SAYONARA-NOSTALGIA

Base Ball Bearから湯浅将平が失踪からの脱退ということで、
知っている方は皆 a flood of circleの元ギターのことを思い出したのではないでしょうか。

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新宿タワレコにてサイン入りのGIRLFRIENDを見て、
試聴機で「すげえええこれええええ」と思ってから長い間、
割と熱心なBase Ball Bearファンでした。

よくMCでネタにされるアポロシアターのC発売前のワンマンから行ってたと思います。

未だに名古屋クアトロで見たセッションからのCrazy for youの季節の光景が
頭から離れません。


が、愛というのは正直で、故に残酷なところもあると言うか、
これはベボベに限りませんが、どんなエピソードやディテールを秘めていても、
その曲が好きか嫌いかということは自分の感覚が決めてしまうわけです。

例えインタビューで「凄い曲ができた」と読んだとて、
曲を作る時のメンバーとのやり取りがイイハナシダナーと思ったとて、
基本的には曲に対する評価は感覚です。勿論後年に変化したりはあるのだけれど。

あるいはアジカンソラニンみたいに感覚以上に理屈で嫌い(好きでない)こともあるけど。


前置きが長くなるのは時期的にナイーブになっている方に
無意味な誤解を与えないようにというのもあるんですが。

要するにPerfect blueまでが僕の中で大好きと言えた時期で、
29歳からこっちはunder the starlightですとか曖してるですとか
単発で好きな曲はあるけれど・・・ぐらいまで後退してました、愛が。

これもまたいつか29歳やC2を聴き直したら変わるのかもしれないけど。
ビークルが3枚目を出した時、フジファブリックのVoyagerを出した時、
何となくポイントが切り替わり、列車は僕の路線から離れていく。

これはバンドが生き物である以上仕方がないことなんだろうけど。

そういう今聞いたニュースだから、比較的平静でいられるところはあるかな、と。
最後にライブを見たのはCDJということになるのでしょうが、
その時も入場規制があったし音漏れ聴いていたというレベルです。


「この四人が、この四人だけがBase Ball Bearです」みたいな
MCも過去にあった気がするし、本人たちのコメントにもあるように
ある種頑なな、スリーピースでは珍しくないかもしれないけど
四人として拘るバンドだったわけで、それが覚悟する期間も殆ど無く欠けた、
その喪失感ってファンは勿論当人たちは実際どうなんだろう。



完全に推測ではあるけれど、どうもキャラとかではなくて
本当に湯浅将平は会話が乏しい人だったようなので、
他のバンドなら「音楽性の違い、方向性の違い、話し合ったが云々」
というようなコミュニケーションが取れなかったのかな、などと。

思えば同じくマジで無口なモノブライト瀧谷翼もそういうことだったのかな、とか。

音楽を好きになってからこっち、PEALOUTPENPALSの解散にもそれなりに
ダメージはありましたが、喪失感という話であれば
2009年12/25(ニュースになった日として)
志村正彦の話以外僕にはありませんね。

バンドが、音楽が、自分を構成する世界のピースとして大きくなればなるほど、
欠けた時の衝撃はそうでない人にはわからない規模になるんですよね。

別に「志村がいないフジファブリックフジファブリックではない」
なんてことは微塵も思わないし、STARは好きなアルバムだったし、
徒然モノクロームは純粋にスマッシュヒットだったと思っています。

でもシングルの「LIFE」までかな・・・
愛してる理由もそうでなくなった理由も
結局最後は説明できない。


ピロウズも危機は脱したとはいえ解散も辞さない時期があり、
それを超えたら10年以上軽くやってきたサポートベースがクビになり。


アルバムを聴いて、ツアーで来てくれて、フェスで見て、
そんな当たり前のサイクルが非常に危うい色々な人達の思いや意志、
お金、そんな要素の上に成り立ってることを思い知らされるんですよね。

正直、「生きてるだけでOK(by怒髪天)」「解散してないだけマシ」
という理屈も(すぐ今受け入れられないとしても)あるとは思います。

ただ、先日まであったものがもはや無い、今日から
そういう世界で生きなければならないんだよな、と。

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あ、一つ、

Base Ball Bearから湯浅将平が抜けることはバンドからギターが抜けただけとは違う」

というのは自分の愛しているバンドの喪失感を抱えた人として
言ってしまうのも仕方がないとは思いますが、

フジファブリックから山内総一郎が抜けるとか、
monobrightから松下省吾が抜けるとか、
ピロウズから真鍋吉明が抜けるとか、

どれ一つ取ってもいいわけねえからな。
ただファンにしかわかんねえだけだ。


とりとめない文章となりましたが、
夕方の向こうに夜はあり、またyoakemaeが来て、
朝になるんでしょう、多分。

C2への自分の愛が薄いので多分行かないのではと思いますが、
サポートがフルカワユタカというのはかなりドキドキしてしまいますね。
いつまで弾くかはわからないですしね。

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失くした幻想感 さよなら