「一冊」となると悩むよね。森見登美彦なら宵山万華鏡になりましょうか、
「夏」ってか「祇園祭」という感じですけれど、どっちかと言うと。
そうすると乙一の「夏と花火と私の死体」でしょうか。
自分的に夏のキーワードの一つは「焦燥感」かなと。
字面からして暑苦しそうじゃない、「焦燥感」って。
この作品の夏の描写、「あーアイス食いたい」感とかかなりのものだし、
それとは別に登場人物たちの焦り(アイスみたいにクールなのもいるけど)もあって。
首筋から焦がされていく、ジリジリと水分が奪い取られていく、
その感覚が上手く表現されているので、是非クーラーなどで快適過ぎない環境で
お楽しみいただければより良いのではないかと思います。
ちなみに夏に対してポジティブな感覚を身につけたきっかけはkeyの「AIR」ですが、
本ではないので今回は割愛させて頂きます。
映画なら「菊次郎の夏」だね。