鍵泥棒のメソッド感想

内田けんじ監督の新作「鍵泥棒のメソッド」。



前作、アフタースクールはmonobright
出会わせてくれた作品でもあり、大変思い出深いです。



そんなわけで最新作の話を聞いた時から見る気満々でしたが、
三連休の締めをこれで行かせていただきましたよ。

やっぱりテイストとしては前作に近い、日常の裏側のバイオレンスなんですよ。

でも後味悪くならず、ユーモラスにあくまでも展開するのもまた内田けんじテイスト。

今回は3つの軸の絡み合いよりは2つの絡みあった糸に

もう一本の赤い糸がどう絡み付いてくるのか、だね。

もちろん細かな伏線もちょいちょいと仕込まれてるので色々とお見逃しなきよう。

あえて既存の作品で表すなら「婚前特急」、ゲーム「街」のとあるシナリオ、

藤子F不二雄SF短篇集のとある話、かな・・・・とあるばっかりなのは

ネタバレになるからということで。街はまあすぐわかりますが。

どうしても前作のファンなので比較ばかりになるけど、

今回特筆すべき前回になかった要素としては「恋と結婚」、だね。

「なんで結婚するの?」って問い。

仕事と同じでお金のため、好きだから、責任として。

人の数だけ答えはあるだろうけども、

それを内田けんじが料理したらこんな風な美味しい珍味ができました、と。

あと、なんて言うか・・・超イケメンや超美人が

せいぜい広末涼子ぐらいしか出てこないんだよね。

髪型的には広末の姉役のが好みでしたが。

でも、それがいいんです。際立った美形でない人が

美しく、かっこ良く見える瞬間はいつなのか。

それを映像として説得力あるものに見せてくれてるので。

ま、恋すると人はやっぱり変わりますねえ。

だから変と恋という漢字は近しいのかもな。