伊坂幸太郎原作:フィッシュストーリー

音楽を今程度に聴くようになるよりずーっと前、
「正義の味方」になりたかった時期がある。

つってもまあ、男の子なら誰でもそういう時期は
どこかであるはずだよね?

でも、自転車に乗れるようになっても逆上がりが出来る様になっても、
正義の味方にはなれないんだっていつか知った。

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自分の大切な人たちとの出会い、あるいは仲良くなった
キッカケは何だっただろうか?

CDを貸した?同じラジオを聴いていた?
マンガの話をした?

たまたま席が隣だっただけということも勿論ある。

でも、その両親の馴れ初めは?

そいつがその学校に決めた理由は何だったんだ?


自分たちが今ここにいて、何かをしていることには
それぞれの必然性と理由がある。


よくピロウズバトンで回答しているが、
中学生の頃学校に行くのがイヤで、
でもズル休みなんかはしたくないから
ラジオを遅くまで聴いて
少しでも明日が来るのを遅らせようとしていた。


日曜日の夜は林原めぐみのラジオ。


その時に流れていた音楽たちの中で、
何故かthe pillowsの「Ride on shooting star」が
やたらと耳に残った。

そして高校へ進み、丸山から


ピロウズって知ってる?」


「ああ、Ride on shooting starの?」


「シングルを最近買った」


そして大学に入り、台風で流れた本試験が
追試期間にズレこみ、追試なしで単位が落ちる。


その補習で出会った人間から


the pillows「Thank you my twilight」を聴かされる。

そう、「運命」なんて陳腐な言葉は使いたくない。

けれど、自分が今ここに、この形で立っている事に
必然性を感じずにいられない時がある。

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人生の大切な場面で、頭の中に流れる歌がある。

それは必ずしも大好きなバンドとも限らず、
でもひたすらエンドレスに流れ続ける。

そんな歌に後押しされる時がある。

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Rock is no reason.

結局ロックに元々意味なんてないかもしれない。

歌詞とか、ゴロがいいから書いただけかもよ?

「キミを探して禁断症状中 嘘をついた」

嘘ってなに。

でも、聴いたヤツが何か感じたらそこに意味が生まれる。

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上に書いたような思いが全部、

「フィッシュストーリー」を観て溢れてきた。。

パンクバンドの曲がやがて世界を・・・なんて聴くと

「PUNK IS NOT DEAD!」なんて想像するけど、

そういう要素もなくはないけれど、それは一部。

どこかの誰かが創ったものが、どこかの誰かを目覚めさせて、

目覚めた誰かは・・・

別にどうってことはない、考えてみたら当たり前の話。

どんな偉人も変人も悪人でも、ルーツがある。

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そんな風に書き散らしたけど、

最後に言うならば、

これは、素敵な、

お伽噺です。