The Adobe Story -出版革命をデザインした男たち-
- 作者: Pamela Pfiffner,井上務,新丈径
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2003/11/20
- メディア: 大型本
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Adobeが設立されてから今の地位にたどり着くまでの経緯が、
具体的な製品名とそれにまつわるプロセスとともに
紹介されている。
「よかった点」
PostScriptはその存在自体を知らなかったのだが、
Illustratorの基礎になったこと、出版業界の常識を塗り替えたことなどから、
間違いなくadobeの歴史に欠かせないソフトであることがうかがえ、
これを知ったことはためになったと思う。
また、PhotoshopやPremiereに対して、定番にして
高級なソフトという概念を持っていたのだが、
登場した当時の状況から見た場合、十分にその性能や革新性のみならず、
コストパフォーマンスの点においても優れたソフトであることは驚きだった。
また、今ではCG作成ツールとして使われることの多いPhotoshopが、
純然たるデジタル写真加工ツールであることを知れたのも大きい。
「自分の意見と異なる点」
優れた技術は時としてその業界のスタンダードになる、それは確かである。
また、ユーザ側には常にそのソフトを使うかの選択権がある。
(Photoshopに対するPaintshopなど)
しかしながら、PDFファイルに関しては、ユーザ側からの視点では
あまりのその重さが目立つ。
そして、ソフトウェアメーカなどがマニュアルをデータで配布する際は
PDF形式のみ、であることが殆どであり、ここにユーザの選択権がない。
これは、MicrosoftがIEで市場を独占してからのセキュリティホールへの
対策などを怠った現象にもちろん相違はあるものの、
近いことを感じる。覇者には覇者の、ソフトウェアの快適性を追及する義務があるのではないか、
PDFファイルが技術としてはすばらしいものであることは認めつつもそう思った。
感想
写真やイラストが豊富でわかりやすく、Adobeという会社自体をはじめて知る人間にも
理解のしやすい内容になっているように感じた。