Beauty killed "BEAST"

キング・コング感想(ネタバレあり)
とりあえず、出てくる面子の個性がとても良い。
経営と映画好きのバランスが取れたスポンサーと
ただ乳が見れればいいエロオヤジなスポンサー。
映画基地外はジャック・ブラックだけかと思いきや周りの面々も
文字通り命賭けで映画を撮るヤツラばかり。


彼らを運ぶ船のクルーの面々もこれまた凄い個性派揃い・・・
船長はビジネスライクでなんていうか、
リスクとリターンを天秤にかけるタイプかと思いきや、
スッゲエ義に熱い、というと何か違うけど、
いざって時は必ず助けてくれる頼りになる男。
副長は軍隊上がりの良き補佐官で、若き少年ジェフの導き手。


ジェフは冒険心と勇気が芽生えつつある若き船員見習い。
生涯海の男でいたいと決めちゃってます。


ポパイ(名前わからんけど見ればポパイにしか思えない)は
ベテラン船員だけどやはり情に厚いいい男。
だけどヒr(ry


まあ、この調子で全員書いても仕方がないので続けますが、
まず、構図というかシチュレーションの面白さ。
キングコングというプロットを考えた上で、
そのシナリオの流れを壊さないように上手く細部に
美味しい絵を入れていくスタイル。


崖を徐々に落ちていく幹とか、狭い道を爆走する恐竜たち。
岩礁と格闘する船。洞窟の中と外で対比する恐怖。


面白いです、その一つ一つが単純に。



にしても・・・船長いいところ持っていきすぎ。
崖下にわざわざ船員たちの死体を配置しなくても・・・
と思ったかな。


また、文字通りスタッフが命を賭けて築こうとした
フィルムがパーになってしまうというのは個人的には納得いかない。
一度はパーになった絵を見せるのはアリだと思うが、
(あの時のジャック扮するカールのキレっぷり最高)


何かしらの形で彼らの犠牲が全くの無駄でないという風にして欲しかった。
カールをただ「目先の利益につられて映画人としての誇りを失った」
ような描き方にして欲しくはなかった。(ラスト美味しいところは持っていったが)


あとはまあ、バハムートラグーンというかLIVE A LIVEというか、
ヒロインの移り気?映画と女のために皆さん死屍累々なんですから、
もうちょっと助け甲斐があって欲しいものです。
あんまり攫われた先で魔王と仲良くなる姫、みたいなのは好きではない。


あとは場面展開後の船員たちのその後が描かれないこと。
特にジェフは副長の「後悔させるなよ」の言葉に応えて欲しかった。
(虫を払った時点でおkなのかなぁ?)


正直コングが眠った時点で「どうやって運ぶのよこれ」と思ったんで
そのへん有耶無耶にするのは正解。
絵にすると嘘くさくなることもある。


しかし、ウルトラマンゴモラに見られるような
「怪物持って帰りたい病」の原点もまた
キングコングなのだな、多分。
問題はあの島は・・・
でかいゴリラよりインパクトありそうな
ものがゴロゴロしてるじゃん!

ってことかな。


あの話の後日談は多分アレだ、カールは当然責任を問われる形になるんだが
それより彼らが持ち帰ったエマージングウイルスで
ニューヨークは死滅するね。


あと、仕事に対する情熱を持ったヤツラが多い多い。
映画撮影陣、船員、女優、彼氏、飛行機乗り。
皆自分の役割を果たすことに対して妥協なく真剣。


おそらくカールの台詞は監督の台詞でもあるだろう。
「映画のチケット代だけで未知の空間へと誘う」
その髑髏島の空間表現の素晴らしさは
俺のキングコング観たい度を一気に引き上げた方が
書いていらっしゃるのでここでは割愛。
この場を借りてお礼申し上げますー。


いずれにせよ、色々な映画の美味しいところを
キングコングという大きなツリーに
上手く飾りつけした映画って印象だった。


最後の抱き合う瞬間を見て
「ああー女の人っていくつも愛を持っているのね」と思いました(笑)