「正義と悪」が本当に対義語であるか、
なんてことを何かで読んだことがある。
これは凄く難しい気がする。
正義・・・正しい道義。人が従うべき正しい道理。
悪・・・わるいこと。否定すべき物事。
道徳・法律などに背く行動や考え。
そもそも辞書で引いたら悪の反対は「善」である。
落ち着いて考えてみると、正義とは何だろな、
って疑問は確かに持つのである。
で、「ダークナイト」なんだけど、
この作品における「正しさ」は状況に応じて
本当にめまぐるしく変化するのです。
ソリッドシチュレーションホラーの代表、「SAW」みたく。
あるいはカルネアデスの板のように。
そうするともう、バットマンも含めて誰が正しいとも言えない・・・
けどまあジョーカーだけは純然たる「悪」かなあ、っていう。
その辺、この映画はピカレスクロマンでもあるわけで。
ちょっと字幕で気になったのは「ゴッサムの」を訳さないこと。
彼らが守りたいものは大切な人やひいてはステイツなんだろうが、
一番身近な単位として扱われているのは「ゴッサムシティ」だから。
彼らの愛街心みたいなものは「ゴッサムの」
を使うことで強調して欲しかったな。
ただまあ・・・だからこそ、この話が良いのだろうが・・・
バットマンは地味めだなあw
もちろん素敵兵器や素敵マシンは出てくるのだけど、
あまりに悪役ジョーカーに対してはインパクトに欠ける。
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グダグダになったけど、ラスト近くで
絶望と正義に対する不信だけが募っていく展開の中で、
少しだけ見えた希望と信頼の光だけが輝いていたと思う。
正義が簡単に揺らぐ今だからこそ、
自分だけの正義を見つけたい、貫きたいね。
「バットマンビギンズ」、俺は未見だが
多分先に観ておかないとダークナイトの
後に観ると温く思えそう。