今日は実写版ジョジョの奇妙な冒険を観てきたんですよ

まず、脚本というかシナリオのアレンジに苦心したんだろうなという感想。
何しろ29巻から47巻に及ぶシナリオなわけで、連続ドラマじゃないんだから
全部を再現してたら尺が全然足りない。



もっと言えば原作は小さなエピソードの積み重ね方式だから、
全部詰めると映画としては非常に間延びする。


これが最初の壁だったと思うのですよね。

そこがまず良いバランスだったなと思う。

こぼしてほしくないな、というエピソードは取りこぼしなく、
かつ「原作だと若干おじいちゃんのキャラを掴む前に殉職した気がする」
部分を丁寧に描いて感情移入を促していたり。


ジョースター家が揉めてると聞いて逆に謝る東方仗助
台詞も結構丁寧に補完されている印象。


山岸由花子のくだりもパート2で原作通り告白させるところから始めても
良いんだろうけど、ぶっちゃけ役者は1から出さないといけないから今のうちに
サイコさんですよ〜、アピールをしておくのは間違ってない。


上記のおじいちゃん周りは本当に丁寧で、
腕時計のところとか、「一介の高校生が街の守り手となる」過程が
それこそスパイダーマンみたいに細かに描写されているなと。


康一のスタンドのお披露目タイミングもあそこのが自然。
さらに、コレはネタバレありとしても書かないけど
原作を知っているからこそアレンジされた部分がサプライズにもなっている。

スタンドのCGも壁の破壊は少し気になったけどあとは概ね違和感なく良好。
特に極悪中隊が実写化された意義は凄くあると思うんだ。


ロケ地スペインに関しては「仙台を使えよ」というファンの声はあって当然。
ただ、それはそれとして海辺の洋館立ち並ぶ街としては及第点かなと思う。
「守りたい」って気持ちが湧くだけの街の魅力が描けているというか。

役者陣は画面の色調やそういう異国的な背景もあるのか、
スチール写真で観たそれより全然違和感がなくて驚いた。
勿論完璧じゃないしコスプレっぽく見えるのは否定しないが、
思ったより全然良かった。億泰なんて特に心配してたが。


というわけで人の家で四部をちょっと読んで基本設定を知っている人はベストマッチだと思うが、
原作をしっかり読んだ人はそういうアラ探しでも審査員的な目線でもオススメ。
原作ファンをニヤリとさせる仕掛けはちょいちょいあるので。
個人的には東方朋子のとあるシーンの衣装にグッと来たな。


ただ、完全に原作未読だと流石に辛いかもしれない。
全ての対象を拾うのは難しいよね。


ジョジョの奇妙な冒険の魅力はスタンドだったりアクの強いキャラだったり
都度出て来る名言だったりもそうなんですけれども、
良いシナリオ、人間賛歌なんだなと再認識しました。