FM802 RADIO CRAZYにてフジファブリックのライブ映像上映

先日12/24、バンド「フジファブリック志村正彦氏の訃報を受けて、
802でははどのような対応をするべきか、どんなことをしても
「何か違う」のではないか、と悩み続けていたという。


しかしながら、バンド側から「お客さんには楽しんでいただきたい」と、
当日予定していたセットリスト通りに編集したライブ映像の提供があったとのこと。


802側はこの提案を受け入れ、12/29 15:55のフジファブリックのステージにて
ライブ映像の上映を行うことに決定、Twitterなどで告知された。


そして当日、裏では人気バンド"the pillows"の演奏が行われているにもかかわらず、
決して少なくない数の観客がRステージに集まった。


登場したDJの「みなさーん!!楽しんでますかー!!!」という
テンションの高さに当初は「なんだあれ?」と不快感を覚えた人もいたかもしれないが、
バンド側の「皆さんにはあくまで楽しんでほしい」という意向が伝わると、
通常のライブと同じように拳をあげて応えた。


「目から液体が出ることがあってもそれ以上に汗をかいてください」


それはDJ自身もそう自分に言い聞かせていたのではないだろうか?



しかし、いざ上映が始まると、アッパーチューンであり、
代表曲のひとつである「銀河」ですら、
始まったとたん決壊したように涙を流す人が続出。


泣き顔のまま拳を振り上げるという、通常のライブでは見られない、
悲しい熱を帯びた空間がそこにはあった。


それでも、手拍子や所謂「オイオイ」コールなど、
バンド側の意向を汲んだその光景は、
とても美しいものであり、盛大な告別式だったと言える。


そうでなく、純粋な追悼であれば、「茜色の夕日」などの
フジファブリックを代表する哀愁を帯びた曲などを
盛り込もうとしていたことだろうと思う。


それを示すように、最後の曲Sugar!!の映像には
志村正彦氏の「ありがとうございました、フジファブリックでした」
という音声が収録されており


1980-2009 志村正彦


という生年、享年とともに、最後に映された写真の志村氏は
顎に親指と人差し指を当てた、気取ったポーズであった。


おそらく写真をセレクトした人物の
「志村君の写真ならこれだろう」という想いが表れていたのではないだろうか。



そして、映像ですらここまで観客を沸かせる偉大なアーティストが
一人、この世を去った事実を再確認し、悲しみが押し寄せてくることも否定できない。



それでも、私は言いたい。


ありがとう、志村正彦、安らかに。